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サマンサ・バークスが映画「レ・ミゼラブル」のエポニーヌを演じるまで




サマンサ・バークス(Samantha Barks ) は1990年10月2日生まれ。


マン島ラクシーの出身


ラクシーは小さい村だけどバレエスクールがあり、サマンサは3歳から通い始める。
それからは歌にダンスに演劇に、情熱的に取り組む日々が続く。


デビュー

2007年4月、16歳でデビューアルバム"Looking in Your Eyes"をリリース。
インデペンデントレーベルのこのCDは600コピーが売れた。


同年12月、17歳でマン島代表としてマルタ島の国際音楽祭に出場。
優勝して賞金2000ユーロと最優秀外国人歌手賞を獲得した\(^o^)/


ロンドンのスクール ArtsEdへ

同年、ロンドンのアーツ・エデュケーショナル・スクール・イン・チズウィック(ArtsEd)へ入学。
ここは舞台芸術に特化した学校だ。
卒業生にはジュリー・アンドリュースや『ダウントン・アビー』のレディ・シビル、ジェシカ・ブラウン・フィンドレイがいる。


タレントオーディション番組へ

サマンサの歌にはパワーがある。
しかし、それを知っているのはマン島とマルタ島の人たち(つまり最大で47万人)、そしてArtsEdの関係者のみだ。
より多くの人に自分の魅力を伝えなければ、名声を勝ち取らなければ、プロになれない。
ArtsEdの卒業生の多くがたどるように、オーディションを受け続けて終わることもありうる。

2008年3月、17歳のサマンサ・バークスはBBCのタレントオーディション番組 I'd Do Anything に出場する。

この番組の優勝者は、ミュージカル「オリバー!」のヒロイン、ナンシー役を得る。
ロンドンの舞台!ディケンズの原作!ミスタービーンと共演!
俳優の卵たちにとっては千載一遇のチャンスだ。
イギリスとアイルランドから、ナンシーを目指して、何千人もの女性たちがオーディションに集まった。
サマンサはアリシア・キーズの"Fallin' "を力強く歌い、一次オーディションに合格した。


12人の最終出場者を選ぶ審査では、サマンサの歌を聴いた他の出場者が絶望して泣き出すというエピソードを残して合格した。

I'd Do Anything 本戦のルール

土曜日の放送
  • 出場者はパフォーマンスを行う。
  • 視聴者は番組に残って欲しい出場者へ電話で投票する。
日曜日の放送
  • 票を得られなかった2人の出場者(ボトム2)は敗者復活戦(Sing off)へ回る。
  • Sing off。ボトム2は生き残りを賭けてデュエットで対決する。
  • 「オペラ座の怪人」のロイド・ウェバーが番組に残る出場者を判定する。
  • 敗者は番組を去るパフォーマンスとして、ナンシーの歌"As Long As He Needs Me"を歌う。歌と表現力を広くアピールする機会が最後に与えられる。

サマンサはその歌のパワーとキュートさで勝ち進む。

サマンサ・バークスがI'd Do Anythingで披露した曲

  1. Samantha Barks "I Love Rock 'n' Roll" (Arrows / Joan Jett and The Blackhearts)
  2. Samantha Barks"See the Day"   (Dee C. Lee / Girls Aloud ) 
  3. Samantha Barks"Somewhere"   (from the musical West Side Story)
  4. Samantha Barks"Hurt" (Christina Aguilera )
  5. Samantha Barks"Since U Been Gone"  (Kelly Clarkson)
  6. Samantha Barks"Sway"  (Pablo Beltrán Y Su Orchestra / Dean Martin / Michael Bublé) 
  7. Samantha Barks"Survivor"  ( Destiny's Child )
  8. Samantha Barks"Defying Gravity" ( from the musical Wicked )
  9. Samantha Barks"When You Believe" ( from the film The Prince of Egypt )
  10. Samantha Barks"Anyone Who Had a Heart" ( Dionne Warwick )
* は個人的なお気に入り
* "Sway"には審査員のアンドルー・ロイド=ウェバーと同じく皆さんニンマリすると思う。


セミファイナル

Week9(2008年5月)のセミファイナル。
サマンサは良好なパフォーマンスを見せたものの、人口が少ないマン島出身ゆえ、電話票を得られずにSing Offに回ることとなった。

北アイルランド出身ゆえにサマンサと同様電話票が得られなかった。


ふたりが歌うのはアンドルー・ロイド=ウェバー作曲、「キャッツ」のメモリー"Memory"。
この対決はリアリティショーの歴史に残るであろう名勝負となった。

・素晴らしいショーだ。サマンサもレイチェルもブラボー!!観客もブラボー!! 
・涙が止まらない。

とはこの番組を観た視聴者の感想。

ファイナル

レイチェルには勝利したものの、サマンサはこの番組を3位で終えた。
人口8万人のマン島出身のため、優勝に必要な電話票を集めることができなかったのだ。


サマンサは胸を張って、"As Long As He Needs Me"を歌いながらステージ中央の階段を登った。
4年後にはスクリーン上でマリウス・ポンメルシーを救うためにバリケードを登ることになる。




ナンシー役をつかむまでには至らなかったが、サマンサ・バークスは「キャバレーCabalet」UKツアーの Sally Bowles役(2008年8月~2009年7月)、「アラジンAladin」のAladin役(2009/10のクリスマスシーズン)などでキャリアを積む。

2010年6月、オーディションに合格。
エポニーヌとしてロンドン、ウェスト・エンドのクィーンズシアターの舞台に立つこととなった。

サマンサはマリウス役のニック・ジョナス、コゼット役のカミーラ・カースレイクとともに初日を迎えた。(First Night for Nick, Camilla and Samantha)。
初舞台を観た「レ・ミゼラブル」のプロデューサー、キャメロン・マッキントッシュは、2010年10月に行われる「レ・ミゼラブル25周年記念コンサート」のエポニーヌにサマンサを抜擢する





2010年、ロンドン。

「レ・ミゼラブル」25周年記念コンサートでは、そうそうたるメンバーが集められた。
俳優 経歴
ジャン・バルジャン アルフィー・ボー イギリスを代表するオペラのテナー
ジャベール ノーム・ルイス リトル・マーメイドのオリジナルキャスト
ファンティーヌ レア・サロンガ ミス・サイゴンのオリジナルキャスト
マリウス ニック・ジョナス ジョナスブラザーズの三男
コゼット カミーラ・カースレイク クラシカルクロスオーバーの新星
テナルディエ マット・ルーカス 芸達者な俳優兼コメディアン
マダムテナルディエ ジェニー・ギャロウェイ 「マンマ・ミーア!」のオリジナルキャスト
アンジョルラス ラミン・カリムルー ファントム25周年公演のファントム
グランテール ハドリー・フレイザー ファントム25周年公演のラウール
注)コゼット役のカースレイクは喉の不調のため、コゼットを過去に演じたケイティ・ホールに交代。
2015年にラグビーイングランド代表のキャプテン、Chris Robshaw について調べていたら、カースレイクの恋人だった。世間は狭い(笑)。


主要キャストたちはアンサンブル、オーケストラとともにリハーサルを行う。
プロの集まる素晴らしい現場だった。



そしてコンサート当日。
サマンサ・バークス演じるエポニーヌはガブローシュの歌声とともに、テナルディエ一味として颯爽と登場する。

このコンサートは映画館やTV放送を経由して、全世界へ配信されたため、多くの人々がサマンサ・バークスの存在とその歌声を知ることとなった。
わたしもそのひとりだ。


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レ・ミゼラブル 25周年記念コンサート [DVD]
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2011年12月、サマンサ・バークスはミュージカル「オリバー!」UKツアーにナンシー役として参加する。

2012年1月31日。「オリバー!」のマンチェスター公演、カーテンコールでの出来事。
ステージにキャメロン・マッキントッシュが現れた。

「(彼女の経歴を長々と延々と)・・・そして今、トム・フーパーが映画に彼女を選んだよ」

マン島の少女がAmerica's sweetheart、テイラー・スウィフトに勝利した瞬間である。

観客にとってもサマンサと歓喜をともにする、またとないプレゼントだった。


トム・フーパーとキャメロン・マッキントッシュ、ユニバーサルの決断の結果は皆さんご存知の通り。


キャメロン・マッキントッシュは「オリバー!」のブロードウェイ公演とその映画化を計画している。
ナンシー役にはブロードウェイ、映画ともにサマンサを望んでいるらしい。
果たしてサマンサの今後や如何に・・・。
彼女のパワーの源であるパフォーマンスへの情熱は、エポニーヌ役から彼女を何処へ導くのか。
今後が楽しみだ。




1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

サマンサ・バークスいいですね。